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はじめに

はじめてのぽすどくという記事を素粒子論研究で掲載しましたが、ブログの方が更新しやすいので、ブログ版も作ってみました。こちらの記事では海外ポスドクのみを扱い、日本でのポスドクは別の記事で扱うことにします。また、素粒子論研究に比べて大幅に削った部分もあります(アメリカの2年ルールなど緑字で書いていたコメントなど)。


杉本さん(京都大学基礎物理学研究所教授)が海外ポスドクについてまとめた文章が2002年であり、古くなっていたと感じたので、「はじめてのぽすどく」はそれを基にして書き加えてたもので、学振や基礎特など日本の公募についても加筆したものです。

杉本さんが書いていたところで自分で確認できなかった(自分に必要ないので確認しなかった)ところは緑字で残しておきます。こんな感じ。緑色の場合は情報が古い可能性があります。残しておいた方がいいと感じたところなどは青字で残しておきます。こんな感じ。

 

はじめてのぽすどくを参考にして(きっと)、ポスドク探しをしてアメリカに行った千草氏のまとめも参考になるかと思います。

謝辞

杉本さん、浜口さん、立川さん、大森君、千草氏、有益なコメント・誤植の指摘等ありがとうございます。


ポスドクに応募する


公募の探し方

 

公募の情報の多くは Academic Jobs Online (AJO) と Inspire にあります。Academic Jobs Online を用いて応募することも多いので、AJO のアカウントは作っておきましょう。AJO には様々な分野の公募が載っており、High Energy Theory や High Energy Physics が素粒子の分野に該当すると思います。どうやら、投稿者が自由に決められるらしいので、High Energy Theory や High Energy Physics 以外にも素粒子に関する公募があるかもしれません。例えば Physics とか。
他にも Sg-l からの転送メールや日本の私大のポスドク公募が JREC-IN にあったりします。

なお、ヨーロッパのグループは共通の application form を利用しており、AJO や Inspire に必ずしも掲載されていないので注意しよう。
他にも AJO や Inspire に載らないかもしれないフェローシップがあります。例えば、

などを教えて貰いました。

応募のルール

 

世界に共通の正式な応募のルールがどこかで決まっているという訳ではないので、慣習に従うしかないようです。まずは、近くの詳しい人に話を聞きましょう。

書類を提出する時期はだいたい 10 月から 12 月中旬くらいです。目安として

  • 10 月末: CERN
  • 11 月 15 日: アメリカ・カナダ、Fellowship 関係
  • 12 月 1 日: ヨーロッパ
  • 12 月中旬: 中国・台湾・韓国・インドなど

あくまでも目安で、これより早いかもしれません。良い人を順に取っていって、枠が埋まったらおしまい、という方式のところが多いそうなので、早めに出しましょう。

提出書類で最低限必要なのは

  • Cover Letter
  • Research Interests/Research Statement
  • Curriculum Vitae
  • Publication List

です。提出方法は、AJO を通して提出であったり、メールに添付であったり、大学や研究所の Web form にアップロードだったりします。推薦書のみ AJO、他の書類はメールに添付というのもありました。場所によっては application form を要求されるところもあります(KEK や基研はありました。)。稀ですが、学位証明書のコピーを要求しているところもありました。

cover letter には、ポスドクに応募したい旨を書き、これまでの研究業績を自信たっぷりに書いて自分を売りこむと良いそうです。research interests でもこれまでの研究を書きますが、ポスドクの応募数が多いと、cover letter しか読まないということもあり得るそうなので、cover letter にも書きましょう。cover letter, research interests, curriculum vitae の書き方は付録を参照してください。ただし、こんなもので良いのかどうか、あまり自信がありません。

Research Interests を丁寧に書くよりかは、セミナーに行ったほうがいいという話も聞きました。Cover letter の宛名は「To whom it may concern」と書きましたが、本当に行きたいところなら「Dear Prof. xxx」と書いた方がいいのかもしれません。アメリカとヨーロッパでResearch Statementの書き方の流儀が異なるという話を聞きました。簡潔に書く方がいいか興味あることをいっぱい書きまくる方がいいかなど。


そして、これらとは別に、(実質的)指導教官や共同研究者など3 人(以上)に推薦書(意見書)を書いてもらいます(10 人ぐらいに依頼している人もいるそうです。5 通以上の推薦書を受け取ると奇妙に思う人もいるらしいので、あまり多すぎるのはよくないらしいです。)。推薦書は、AJO や Web application の場合、各推薦者にメールが自動的に送信されるので、upload してもらいます。メールでの応募の場合は、各推薦者から直接送ってもらうように依頼します。メールで応募の場合には、(1) メールアドレス、 (2) メールの件名、 (3) 宛名 (Dear Prof. xxx)、については調べて、依頼したほうがよいと思います。また、記載されているメールアドレスが間違ってることもあるので、推薦書を依頼する前に自分の書類を先に送って、メールアドレスが間違っていないかどうかを確認したほうがよいかもしれません。
国内の応募の場合では、推薦書は 2 通の場合もあります。推薦書の依頼は締め切りの 1 か月前にはしておいた方がいいと思います。

結構大変な作業なので、本当に早めに準備した方が良いです。Offer のメールが迷惑メールフォルダに行く可能性もあるので、迷惑メールフォルダも確認しておいた方がいいです。

面接について

 

書類選考を通過すると面接があります(面接なしで、書類選考のみの場合もあります。)。面接については、公募書類ほど定まった形式はないみたいです。大雑把な形式として

  • zoom や Skype などを用いて、オンラインで行われる。
  • 1 対 1 の場合もあれば、1 対複数人の場合もある。
  • スライドの作成など事前に準備が必要なわけではない。

な感じです。時間があればこの項目については加筆します。

Offer をもらったら

 

浜口幸一氏のありがたい御言葉(をちょっと加筆)。

  1. 即答せずに、まずは指導教員やその他推薦状を書いてくれた人たちに報告・相談する。
    オファーをくれた人や大学の良くない話があるかどうかを教えてもらうために聞いたほうがよいと思います。例えば、給料をピンハネする教授、ポスドクに計算をさせておきながら共著者に加えない人、与えた研究以外をすることを認めない人などハラスメントを行う人が海外にも実際にいます。もし知り合いや日本人ポスドクがポスドクとして在籍したことがあるのならば、研究室の雰囲気などについて問い合わせをしてみてもいいと思います。
  2. offer をくれたところに、手短に、offer へのお礼、興味があること、および返事を待ってもらいたい旨の、返事をする。
    offer を受けます、とは書かない !

    我々の業界だと少なくとも 1 月 7 日 までは待ちましょう、という agreement がある。ただし、この agreement を無視して締め切りを早くしている人もいます。
  3. ついでに、給料、旅費などの研究費、移動費 (引っ越し代) などの情報について、最初の offer メールに書いてなければ、問い合わせる。
  4. その場所よりも行きたい、条件次第で行きたいかも、と思える場所に問い合わせのメールをする。
    「他から offer が来ていて、xxx 日までに返事をしなくてはならないので、できるだけ早く状況を教えてもらえると嬉しい」といった内容のメールを送ると、だいたい状況を教えてくれる。(Rumor Mill に載っているところも、あくまで rumor なので、直接聞く価値あり)
  5. 2., 3., 4. の情報を基に最終判断。
  6. 一度 offer を accept したら、後で他の場所から offer が来ても (原則として) 受けられない。(それをされると採用側はものすごく困るし、みんながやり出すと仁義なき争奪戦になって業界全体のプロセスがめちゃくちゃになってしまう。。)だからこそ 4. の問い合わせのプロセスが重要。
  7. 例外として、ポスドクの offer を accept したけど後からファカルティの offer が来た場合、などは後者を取るのは当然アリだと思います。(それ以外にも色んな場合がありそうですが、、、ケースバイケースで。)

 

Accept をしたら

 

いつから行けるか問い合わせをしましょう。
多くの人は学位を取得して、3月に大学院を修了します。しかし、アメリカやヨーロッパではアカデミックカレンダーは8~10月(ぐらい)から始まり、ポスドクの雇用も通常は8~10月(ぐらい)からです。そのため、海外ポスドクになることが決まっても、4月から晴れて無職になります。一応、次の行先が決まっているので、安心してもいい気がしますが、今後日本で職を探そうとした場合、少しでも無職の期間があるとよくないそうです。
DC2が1年残っている場合や学振PDの内定をもらっている場合、半年間だけ利用すると無職期間はなくなります。なんかもったいない気もしますが。そうでない場合は、誰かの科研費で雇ってもらうしかないようです。


オファーメールとその後のやり取りは必ず保管しておきましょう!


学振のお金で行く場合

 

学振のお金で海外に行く場合は、上のような手順を踏まずに、いきなり e-mail で、そちらに行っても良いか?と尋ねるというのもありのようです。僕の場合は上のような手順で応募し、cover letter に、「学振のお金が1年半あるので、もしできたら半年間サポートして欲しいが、なくても1年半居させてもらえたらうれしい」と書きました。学振のお金で行くと、身分不相応に良いところに行けるチャンスがあります。しかし、その反面、仲間として認められず、お客様扱いされる危険性があると言われています。
 

別の記事でもう少し述べます。

 

行くまでの準備・着任後すること


下宿を探す

 

まずは大学や研究所の人にどのように探すべきか聞きましょう。大学・研究所によっては、ポスドク用の賃貸物件を紹介してくれる場合があります。そうでない場合、その国で使われてる賃貸サイトや不動産に行くことになると思います。大学・研究所を通して以外であれば、日本にいながら部屋探しをするのはまず不可能なので、現地に着いてから部屋探しをしましょう。


アメリカの University of Washington に長期滞在したときには、2 週間ぐらい airbnb を利用し、 その間に craigslist で住むところを探しました。日本にいたときに日本人コミュニティのサイトで部屋探しをし、貸してくれるという人がいましたが、途中で音信不通になりました。


台湾では新竹の国立精華大学と台北の国立台湾大学の2か所で部屋を探しました。新竹の部屋探しでは、台湾で主に使われている「591」というサイトを用いました。やり取りは香港人のポスドクに手伝ってもらいました。同時期に雇われた他の日本人ポスドクの方は一人で不動産屋に行き探したと言ってました。

国立台湾大学では、大学の寮がありましたが、家賃が安く、人気が高いため借りることはできませんでした。そこで、591を使いましたが、あまりいい物件が見つからなかったので、PAPAGOという日本語で部屋探しでできる会社を使いました。仲介手数料が台湾での相場より少し高かったですが、問題なく部屋探しができました。

最近はgoogle翻訳が優秀なので、google翻訳を通してやりとりしていれば、そこまで困ることはありませんでした。


車の免許について

 

行き先にもよりますが、車がないと生きていけないような場所に行く可能性もあるでしょう。車の免許を持っていない場合、免許を日本で取るか海外で取るかが問題になります。海外の方が簡単なので、日本で取るのは金と時間の無駄だという説もあります。また、海外で下宿を探したり荷物を運んだりするのに、まず車が必要になるので、日本で取っておいたほうが良いという説もあります。僕は結局日本で取りましたが、国際免許証でレンタカーを借りて、荷物を運んだり、布団や家具を買いに行ったりできたので、大変良かったと思っています。

国際免許証

 

運転免許試験場へ運転免許証とパスポートと 5×4 cm の写真 1 枚と印鑑を持っていくと、その日のうちに作ってもらえます。これは1年間有効なのですが、行き先によっては国際免許証が通用しない場合があるので注意が必要です。例えば、アメリカのカリフォルニア州では、そこの居住者になった場合には、国際免許証は10 日までしか有効ではないみたいです。実際には10 日を過ぎてもレンタカーを借りることはできましたが。

ビザを取得する

 

アメリカの場合

学振でアメリカに行ったときは、まず向こうの大学が DS-2019 というのを送ってくれました。受け取ったら、まず大使館に面接に行く予約をします。時期によっては混んでいることもあるので、出発の 2 ヶ月前くらいには済ませておいたほうがいいと思います。そして、ビザ申請料金 と SEVIS 費用を払います。それぞれだいたい 200 ドルくらいだった気がします。当時のレートは 1 ドル = 112 円ぐらいだったのに、1 ドル = 120 円で計算されてました。僕は SEVIS 費用を支払うのを忘れて、面接に行きましたが、大使館の中でクレジットカード払いができました。面接が無事終了すると、1 週間後くらいにパスポートと DS-2019 が郵送で送られてきます。パスポートは一旦預ける必要があるので、パスポードが必要な用事はその前に済ませるか、受け取った後にやることになります。

また、学振のお金などで海外に行く場合は、ビザを申請するときに英文の財政証明書が必要なのであらかじめ手に入れておきます。これは下宿を借りる時にも必要になる場合があるので、捨てないようにしましょう。
 

デンマークの場合

正直言うと良く理解していないのですが、デンマークに行く場合はビザではなくて Residence/Work permit というのが必要になるようです。特に注意するべきことはこれを申請してから取得できるまでに何ヶ月もかかるということです。デンマークに行くことが決まったらとにかく早めに行動を起こすことをお勧めします。僕の場合はアメリカで申請したので参考になるかどうか分かりませんが、3 ヶ月以上かかってしまって出発の日に間に合いませんでした。でも、幸いデンマークに入国してから取得することができてなんとかなりました。

 

台湾

まず、受け入れの大学・研究所から work permission の原本を受け取ります。work permission のコピーで大丈夫ですと言われるかもしれませんが、大丈夫ではなかったので、きちんと原本を受け取りましょう(大使館の事務の人依存)。次にウェブサイトで申請書の作成をします。必要書類等は

  1. パスポートとその写し
  2. ビザ申請書
  3. 証明写真2枚 (3.5 cm × 4.5 cm、申請日前6カ月以内に撮影、カラー)
  4. 中華民國官庁許可書原本(work permission)とその写し
  5. 査証手数料

証明写真はスマホで撮影し、印刷したものは不可でした。東京の大使館には証明写真機があるので、そこで撮影(600 円)できます。査証手数料は 6,900 円でした。翌日ビザが発行されます。
 

銀行


以前は、CITI BANK を多くの人が使っていたようですが、いろいろな不祥事により現在は解散しています。SMBC 信託銀行プレスティアに営業譲渡したそうですが、以前の CITI BANK と同じようなサービスは扱っていないと思います。アメリカの場合であれば、千草氏のまとめにもあるように、カルフォルニア・アカウントプログラムで日本国内で口座を開設できるようです。

 

そのため、銀行口座は現地に到着後、その国の銀行口座を開設することになります。大学・研究所によっては給料振り込み先の銀行が指定されています。


日本の銀行から海外の銀行に送金する場合、手数料はかなり高いです。しかし、Wise というサービスを利用すれば、安く海外送金できます。そのため、現地で銀行口座を開設し、現金が必要なら Wise を利用すればいいと思います。(なお、まだ利用したことはない。)海外から日本の銀行口座にログインできるように、オンラインバンクにしておきましょう。


大森君の Wise に対する補足

現在はまずWiseないに口座を開設してから出ないと送金できない仕組みになっていて、日本居住者が口座を解説するにはマイナンバーカードまたは通知カードがいります。これらがない場合に発行してもらおうとすると1ヶ月以上かかるので注意。まぁ住所が手に入るまで送金できなくていいなら、向こうに渡ってから向こうの住所で開けばいいですが。

クレジットカード


キャッシング機能や海外保険付きのクレジットカードを持っておきましょう。キャッシング機能が付いていれば、万が一の場合に ATM や銀行で現地通貨を引き下ろせます。国によっては ATM で引き下ろせる額の上限が決まっているので、多めに引きおろしをしたい場合は銀行の窓口に行くとよいです。海外保険が付いていると、少しだけ安心できますが、別になくても問題ないです。海外に行っている間に、有効期限を迎えないことを確認しましょう。有効期限を迎えそうな場合、早めにクレジットカード会社に連絡して早期更新できるか聞いてみましょう。ネットの情報によると、だいたいの会社でできるとありましたが、ジャックスの提供している REX カードは原則できないそうです。その場合は再発行すればいいらしいです。

有効期限更新について、お客様からのお申し出による早期更新はおこなっておりません。
しかしながら、有効期限の3ヶ月前以内にご連絡をいただきますと、ご相談を承ることが可能でございます。(19年10月が更新月の場合、8月~10月を指します)
方法としましては、カード再発行のお手続きとなります。有効期限を更新し、カードをお送りいたします。再発行につきましては、審査のうえ、カード番号を変更してのお手続きとなります。お届けまでに約10日~2週間ほどお時間がかかり、再発行中はカードがご利用いただけなくなります。なお、カード再発行のお手数料として500円+税をご負担いただきます。何卒ご了承ください。
また、有効期限更新の再発行お手続きにつきましては、XX様のご契約を確認のうえ、お電話にて承ります。恐れ入りますが、XX様の有効期限を確認いただき、有効期限の3ヶ月前以内に契約者ご本人様より下記カスタマーセンターへお問い合わせいただきますようお願いいたします。

アメリカやヨーロッパに行くなら、プリペイドカードのマネパカードという選択肢もあります。僕はこれを利用して、アメリカの銀行で現金をおろしたりもしてました。
 

保険

 

行く国によると思いますが、保険に入ることが義務付けられることがあります。受け入れ大学で保険に入れない場合、自分で保険に加入する必要があります。ポスドクの場合でも、留学保険でいいと思います。(単身の場合。)アメリカの場合、ネット加入で20万円/年 (歯科治療は対象外)以上かかります。僕はジェイアイ傷害火災保険の tabiho を利用しました。自転車のサドルの盗難だけでなく、iPad のケーブルの破損、傘の柄の部分の破損に対しても保険を受け取ることができました。ただし、ジェイアイ傷害火災保険では、保険の申請をするためには日本に帰国しないといけません。

これは、学振でアメリカに長期滞在した例なので、かなり特殊です。

立川さんからのコメント

旅行保険に関しては、アメリカとヨーロッパで違いがあることを書いたらいいかなと思います。僕もあまりわかってませんが、国民全体をカバーする保険がヨーロッパやカナダでは日本同様ありますがアメリカ合衆国ではありません。このため、医療を受ける際のお金を払うシステムがかなり違って、旅行保険なしでアメリカで重篤な病気になるととんでもなく高額になります。このせいもあって、アメリカに行く際の旅行保険は割高ですが、契約したほうがいいと思います。

 

大森君からのコメント

米国の健康保険は、大学に雇用される場合は大学で入れるのが基本だと思います。大学で入れる場合は数年いるなら普通にそれに入るのが無難だと思われます。

税金


住民税は1月1日に住民票がある市区町村に支払う必要があります。海外転出をするのであれば、1月や2月より少し前にすると住民税を払わなくてよくなります。

 

持って行くと良いもの

 

絶対持って行ったほうがいいもの
 

  • ノートパソコン、オフィス (Word、Excel)

    海外に行っても、日本語の原稿を書いて印刷できるようにしておかないと、教官公募等に応募しようとするときなどに困ります。

    [補足: どのプリンターでも日本語が書かれたものも文字化けすることなく印刷できると思うので、プリンターは持っていく必要はないと思います。しかし、2017年の11月以降から2019年の6月までの公募(の一部)に限ると、34件あった公募のうち、19件が郵送で書類を送らないといけませんでした。19件の内訳は、11件が印刷したものを郵送、7件がUSB、1件がCD/DVDです。1件はもともと郵送でしたが、立川さんの指摘によりe-mailでも受け付けるように変更されたものです。仮に用紙指定でA4とあると、アメリカの大学ではまずないので、「A4用紙」も持って行く必要があるかもしれません。例えば、2019年5月に出た、東北大学 学際科学フロンティア研究所の公募では、提出書類が
    以下に示した番号順にすべての書類はA4サイズで作成ください。なお、(1)~(4)はホッチキスではなく、クリップで留めてください。
    (1) 履歴書(別紙様式を用い、写真貼付のこと。連絡先住所およびE-mailアドレスは必ず記載下さい。)
    (2) 研究業績リスト(原著論文、国際会議プロシーディングス、著書・解説、会議発表(国内・国際、一般・招待講演を区別してください)、受賞、出願特許、競争的研究資金、共同研究の実績、その他特筆すべき事項 )
    (3) これまでの研究業績概要(2,000字程度)
    (4) 研究計画書(別紙様式に従い4ページ以内)
    (5) 照会可能者2名程度の氏名と連絡先
    (6) 主要論文別刷5編以内のコピーまたは主要業績5件以内
    (7) 文部科学省の2019年度卓越研究員候補者に選ばれている場合にはそれを示す書類 のコピー
    であり、A4指定されています。提出方法も
    〒980-8578 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉6-3
    東北大学 学際科学フロンティア研究所 事務室

    書留で「助教応募書類」と朱書のこと。応募書類は返却致しません。
    なお国内の申請者からは郵便書留で送付されたもの以外は受理しませんので注意してください。
    国外在住の申請者は国際郵便またはEMS、FedEx、DHL、UPS等の国際宅配便で送付されたもののみ受理します。
    と郵送指定されています。]

    オープンオフィスでWord・Excelの代用もできますが、まずレイアウトが崩れます。学振の書類(報告書など、LaTeX で代用できないもの)は見事に崩れました。
  • 印鑑、朱肉 (公募書類のため?)
  • SIM フリーのスマートフォン
    電子辞書や google map も入れられる!!
    ただ、日本で買うと、カメラ撮影で「カシャ」と音がするので、現地で買えるなら現地で買ってもいいのかもしれない。
  • 学位証明書(のコピーのpdf)
    ポスドク公募や公募で提出する必要があるため。
  • 変換プラグ
    アメリカ、カナダ、台湾以外に行く場合


必要なら持って行った方がいいもの・あると便利なもの
 

  • タブレット
    iPad は便利だよね!! Mac OS は使いたくないけど、iPad は使っちゃうよね。
  • (酔い止め、風邪薬、綿棒、その他)
    アメリカで買った綿棒は質がすごく悪かった。
  • 変圧器
    パソコンの充電器はだいたい100 V から250 Vまで対応しているので、パソコンには不要。Nintendo DSには必要。
  • 筆記用具 (ホッチキス、ボールペン、など)
    アメリカの大学にあったホッチキスは20~30枚でも簡単に止めれそうに見えるけど、実は10枚ですら満足に止めれないようなものだった。
  • 数日分の食べ物
  • その他(スリッパ、箸、などなど)

 

やることリスト


出発の1ヶ月前までに準備するべきこと

  • 英語の勉強
  • 車の免許を取る
  • VISA の取得
  • クレジットカードの有効期限の確認。必要なら早期更新の依頼。
    持ってないならクレジットカードを作る。
  • 学振に届けるもの
    • 海外渡航届
    • 特別研究員採用証明書を申請(英文、所得証明あり)
    • 国内住所変更届
  • 歯の治療
    台湾では、日本と比べて治療費も安く、日本語も通じる歯医者もある。


出発の1ヶ月前くらいからやること

  • 役所へ届けるもの
    • 海外転出届 (2週間前から)
    • 国民年金 (海外に行っている間は義務ではなくなる。)
    • 健康保険の解約
  • 住所変更届
    • 郵便局
    • 銀行
    • クレジットカード会社
    • 育英会
  • 保険に加入
  • 国際免許証を取得
  • 荷物の送り先住所の確認
  • アパートの退去届


出発の1週間前になってから慌ててやること

  • 海外への荷物の発送
  • 実家への荷物の発送
  • 不要品を皆に配る
  • 大型ごみ (テレビ・冷蔵庫・洗濯機はリサイクル対象で処分が面倒なので、早めに行動する。)
  • 家賃や電話代などの残りを払う

 

着任1年後に確認すること

ポスドクポジションはだいたい2年か3年であり、3年の場合も2+1年のように最後の1年が更新制の場合があります。更新があるかどうかは財源や着任後の業績によることが多いです。
任期が2+1年の場合、必ず最初の1年目の終わりに3年目の更新があるかどうかを確認しましょう。(8~10月に着任した場合を想定しています。)更新がされない場合、その年のポスドク公募に応募する必要があります。
オファーメールで論文を書いていれば大丈夫と書かれていても、別の理由で更新されない可能性があるので、突然の無職を避けるために必ず確認しましょう!
 

最後に

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