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はじめに

今回は「旧帝大や研究所クラス」の准教授(昔は助教授)になるのに必要な業績数(論文数)が年の経過とともにどのように変化しているか調べてみます。

 

調べる大学は、東大・京大・北大・東北大・東工大・ 名大・阪大・九大、研究所は、KEK・IPMU・YITPの三つとしました。

 

本当は助教(または助手)の採用時の業績変化を見たかったが、2010年以降任期なし教員の採用が皆無なので、代わりに准教授(または助教授)の採用時の業績変化を調べました。今年度、退官の人までに限りました。

業績として、調べるのが簡単なため着任時の総論文数としました。ここで、総論文数は、inspireでarticleに分類されているもので、雑誌に出版されているかどうかは考慮していません。review articleは含まれていますが、conference paperは除外しています。数理科学の日本語記事はinspireでarticleに分類されてますが、これは見つけた場合、除外しました。

 

実際の公募では、論文数だけでなく論文の引用数や質、教育歴など様々な要因によって決まるので、あくまでも目安の一つです。

 

分野が異なると、必要な業績量も変わる気がするので、フォーマル(=hep-thに主に論文を出す人)と現象論(=hep-phに主に論文を出す人)に分けて調べました。フォーマルと現象論の区別が付きにくい人はどちらのデータにも入れています。hep-lat分野については今回は調べていません。


フォーマル

まずは、フォーマル分野の採用時の論文数です。右上がりの傾向があることがわかると思います。2011以降の採用者に限ると、4人とも論文数50超えてます。必要とされる論文数が増加傾向にあることに加え、公募の数自体が少なくなっています。

 

グラフでは分からないですが、2000年以降の採用者に限ると、論文数が少ない人は、論文の質が高く、当てている論文が多い人です(例外あり)。


 

学位取得年でグラフを書くと、


となります。2000年以降の学位取得者には厳しい状況になっているのがわかると思います。


現象論

次に現象論の業績変化を見てみましょう。100越えのanomalyが存在しますが、右上がりの傾向にあるように見えます。

フォーマルに比べ、データに抜けがあるかもしれません。2010年以降の抜けはないと思います。2015年以降の人事に限ると、3人の論文数は50以上になっています。

 

学位取得年で見ると、

となります。フォーマルと比べ、あまり相関がないように見えます。


まとめ

2010年以降に行われた人事では、だいたい50本程度の論文数が必要となっています。2000年以前の人事だと、現在のポスドク2, 3期目の人の論文数と同程度でしたが、年々増加傾向にあります。上の図だけでは分からないですが、データを見ると学位取得後から准教授着任までの年数も増加傾向にあります。
 
今の若手には厳しい状況になってます。一番厳しいのは公募自体が少なくなっていることです。(枠自体がなくなったのもあるかもしれませんが、准教授の人の昇進がないので、人事が止まっています。)
 
あと、学位取得後経過年数と論文数の2軸グラフを作成すべきな気もするのですが、面倒なので辞めました。h-indexや総引用件数も大変なので諦めた。


最後に

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