2025年4月・5月・6月に読んだ本のまとめ
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読んでいる本と読み終わった本の両方をまとめていきます!小説などはネタバレを含まないように感想書きます。『方舟』についての感想でネタバレに近いものを含みます。
読んでいる本
秋葉・岩田・北川、『プログラミングコンテストチャレンジブック 第2版 問題解決のアルゴリズム活用力とコーディングテクニックを鍛える』、マイナビ
2024/11/15読み始め。
竹内、『新装改訂版 現代数理統計学』、学術図書出版社
2024/12/6読み始め。
Sara、『いきなりプログラミング Androidアプリ開発』、翔泳社
5/24読み始め。
門脇・阪田・保坂・平松、『Kaggleで勝つデータ分析の技術』、技術評論社
6/17読み始め。
読んだ本
歌野、『増補版 放浪探偵と七つの殺人』、講談社
3/31読み始め、4/6読了。タンクトップ探偵の短編読了。
綾辻、『フリークス』、KADOKAWA
4/6読み始め、4/9読了。自分には全然刺さらなかった。
綾辻、『鳴風荘事件 殺人方程式II』、講談社
4/9読み始め、4/12読了。殺人方程式シリーズの2作目読了。トリックにそこまで無理は感じなかったけど、ただただ長かった。300ページくらいであって欲しかった。
杉井、『世界でいちばん透きとおった物語』、新潮社
4/12読み始め、4/14読了。トリックを知ると凄いと思うけど、トリックを除くと普通の作品だと思ってしまった。
NTTデータ・フィナンシャル・ソリューションズ先端金融工学センター、『アルゴリズム取引の正体』、きんざい
4/14読み始め、4/18読了。アルゴリズム取引について書かれた数少ない日本語の本。アルゴリズム取引について広く浅くまとめられていた。特に、マーケットメイカーが用いているアルゴリズムについては比較的詳しく解説されていた。個人的には、マーケットのボラティリティが上昇したときに、マーケットメイカーの霊圧が消えたような板を見る機会が多かった気がしてたけど、その理由が分かって満足だった。個別のアルゴリズムの詳しい説明はこの本の範囲を超えているというか、公開する会社があるとは思えないので、謎に包まれたアルゴリズムの存在が示唆されただけという記述も多かった。
角山、『バリュー投資の強化書 良いビジネスを安く買い、高く売るための分析手法』、パンローリング
4/18読み始め、4/21読了。2008年に発売された本なので、会計基準の違いなど古い情報などもあったけど、NISAが始まって発売されたバリュー投資の本と比べるといい本だと感じた。
小松、『最適投資戦略 ポートフォリオ・テクノロジーの理論と実践』、朝倉書店
4/21読み始め、4/24読了。計算を追うことはせずに読んだ。平均分散アプローチ、CAPM、ブラック・リッターマンモデルについて解説したあと、カルマンフィルターを使ったレジームモデルを紹介している。レベルとしては、カルマンフィルターを使う前は、初等的な確率・線型代数・微分積分の知識だけでいいけど、カルマンフィルター以降はそれらに加えてカルマンフィルターの知識が必須となる。そのため、時系列解析に詳しくないと通読するのはかなり難しい。朝倉書店の公式サイトに誤植がまとまっているんだけど、それの3倍くらい誤植がありそうだったので、きちんと計算を追うなら大変そうだった。
レジームモデルについて知りたいなら参考にはなるけど、この本よりもう少し分かりやすいレビューや本があるならそっちで学ぶほうがいいと思った。ファットテールは異なるレジームの正規分布として理解できるかもしれない、という記述があり、それは参考になった。
レジームモデルについて知りたいなら参考にはなるけど、この本よりもう少し分かりやすいレビューや本があるならそっちで学ぶほうがいいと思った。ファットテールは異なるレジームの正規分布として理解できるかもしれない、という記述があり、それは参考になった。
野崎、『2』、KADOKAWA
4/21読み始め、4/25読了。どうやら6部作の最終巻だったらしい。つまり、それまでのシリーズを読んだ人しか読んでないから、評価が高いみたい。他の巻のあらすじを見ると、確かにそれらを読んでないと理解できない伏線いっぱいあった。ラノベっぽくて、自分的には合っていない小説だった。青春っぽい小説なんだけど、突然SFになる感じの場面転換多くてしんどかった。
諸藤、『文系でも3時間でわかる 超有機化学入門 研究者120年の熱狂』、裳華房
4/26読み始め、4/26読了。会話形式で図や写真が多めなので、タイトルに偽りなしで3時間で読めた。化学式を知ってるなら中学生でも十分読めると思う。ベンゼン環を二つ作るにはどうすればいいかという問題から始まって、カップリング結合について解説し、最後に著者の最新の研究を軽く紹介するという内容だった。
歌野、『死体を買う男』、講談社
4/26読み始め、4/29読了。推理小説の中に推理小説があって、話が二転三転どころか四転五転してて面白かった。
リンチ、『ピーター・リンチの株の法則 90秒で説明できない会社には手を出すな』、ダイヤモンド社
4/29読み始め、5/3読了。1994年に日本語訳が発売されてるけど、この本は2015年発売の新訳。わざわざ訳さなくても再販すればよかったと思った。内容は著者がマゼラン・ファンドを運用してたときにどういうことを考えながらやっていたかをまとめた自伝。投資のアイディアになる記述はあるけど、それを知りたいなら『株で勝つ』を読んだ方がいい。投資信託に関する環境がこの40年で大きく変わってるから時代遅れの記述多いから、話半分で読むくらいでちょうどいい感じだった。
ドーシー、『千年投資の公理 売られ過ぎの優良企業を買う』、パンローリング
5/4読み始め、5/7読了。260ページと薄い本だけど、A5サイズなのい余白たっぷりなので、実質もっと薄い。バフェット本によく登場する「堀」ついて書かれたバフェット関連本。ブランドのように他の企業にはない優位性と紹介されることがある「堀」だけど、知名度はあるのに株価は不調みたいな銘柄もあって、どうやって見抜けばいいのかってなる。この本では、まず「堀」とは何かを説明して、具体的にどうやって探せばいいのか書かれてて、とても実用的な本だった。米国株と日本株の違いによってROEの水準が違うため、日本株に対して適用しようとすると少し修正が必要という注意点はあった。
クリスティー、『ゴルフ場殺人事件』、早川書房
5/8読み始め、5/11読了。初期の作品らしくて、作品のクオリティが高くないらしい。個人的にも同感だった。
クジラ飛行机、『Pythonではじめる Webサービス&スマホアプリの書きかた・作りかた』、ソシム
4/30読み始め、5/13挫折。本のGithub。
タイトル詐欺で、内容から考えると「FLASKではじめるWebサービス」というタイトルがしっくりくる。FLASK以外にもPythonでWebサービスを作れるライブラリあるけど、この本だと数行の紹介で終わってるし、スマホアプリに関してもスマホのブラウザで表示したWebサービスでしかない。FLASKの本はこれが初めてなので類書と比較してこの本が分かりやすいのかどうかの判断はできないけど、パッケージの使い方の説明が少なくて少し不親切に感じたので、あまりいい本ではなさそうと感じた。
タイトル詐欺で、内容から考えると「FLASKではじめるWebサービス」というタイトルがしっくりくる。FLASK以外にもPythonでWebサービスを作れるライブラリあるけど、この本だと数行の紹介で終わってるし、スマホアプリに関してもスマホのブラウザで表示したWebサービスでしかない。FLASKの本はこれが初めてなので類書と比較してこの本が分かりやすいのかどうかの判断はできないけど、パッケージの使い方の説明が少なくて少し不親切に感じたので、あまりいい本ではなさそうと感じた。
シュミット、『How Google Works 私たちの働き方とマネジメント』、日経BPマーケティング
5/14読み始め、5/18読了。労働者ではなく経営者の目線で書かれていて、Googleの会社運用やマネジメント、エンジニアの働き方が紹介されている本。そのため、プロダクトについては名前が出る程度で技術的な詳細はほぼなかった。そのため、エンジニアが読むより起業家や経営者が読むともっと楽しめる本だと思った。
ガーバー、『はじめの一歩を踏み出そう 成功する人たちの起業術』、世界文化社
5/19読み始め、5/21読了。マクドナルドのようにフランチャイズできるように会社をパッケージ化しようってことを物語風に書いていた。
藤原、『スモールデータ解析と機械学習』、オーム社
5/18読み始め、5/22読了。計算はそこまで追わず、文章を流し読みした。まだ理解しきれていないところもあるので、実データで解析しながら後で読む予定。
機械学習に関するとてもいい本だった。タイトルにある通り、深層学習で使うような大規模データではなくて、スモールデータに対する解析法を解説している。ここでスモールデータとは、大雑把に言うと、深層学習には向いていないデータ数(sklearnにあるライブラリに向いているデータ数)・特徴量の数より少ないデータ・不均衡データで一方のデータが少ないもの・異常値が出てくるデータを指している。このスモールデータに対して、機械学習を活用するために、それぞれの章で主成分分析、回帰分析、回帰や分類を使った特徴量選択、不均衡データ、異常検知について詳しく解説している。データサイズによらない一般論から入って、スモールデータの機械学習の技法を説明して、最後に具体例で確かめるという流れだった。
sklearnで実装されているモデルが多く登場するけど、入門書には書かれていないテクニックやどういう点に気を付ければいいかが書かれていて、個人的にとてもよかった。例えば、分類でk-meansはどの本でも紹介されるけど、異なる傾きに沿ってデータが分布しているものを分類するのにうまくいくNCSCという手法は初めて知った。
とてもいい本だけど、いくつか注意点を挙げておきます。
機械学習に関するとてもいい本だった。タイトルにある通り、深層学習で使うような大規模データではなくて、スモールデータに対する解析法を解説している。ここでスモールデータとは、大雑把に言うと、深層学習には向いていないデータ数(sklearnにあるライブラリに向いているデータ数)・特徴量の数より少ないデータ・不均衡データで一方のデータが少ないもの・異常値が出てくるデータを指している。このスモールデータに対して、機械学習を活用するために、それぞれの章で主成分分析、回帰分析、回帰や分類を使った特徴量選択、不均衡データ、異常検知について詳しく解説している。データサイズによらない一般論から入って、スモールデータの機械学習の技法を説明して、最後に具体例で確かめるという流れだった。
sklearnで実装されているモデルが多く登場するけど、入門書には書かれていないテクニックやどういう点に気を付ければいいかが書かれていて、個人的にとてもよかった。例えば、分類でk-meansはどの本でも紹介されるけど、異なる傾きに沿ってデータが分布しているものを分類するのにうまくいくNCSCという手法は初めて知った。
とてもいい本だけど、いくつか注意点を挙げておきます。
- 入門書ではないので、sklearnで簡単な機械学習モデルを触った程度の経験はあったほうがいい。
- 深層学習に関する記述はほぼないので、深層学習で困っていることの助けにはほぼならない。回帰や分類を使った特徴量選択は役に立つかもしれない。
- sklearnのライブラリがあってもアルゴリズムを理解してもらうことを優先して使っていない。
- 誤植があるけど、著者や出版社は直す気がなさそう。
クルーズ、『1440分の使い方 成功者たちの時間管理15の秘訣』、パンローリング
5/23読み始め、5/25読了。まさに読みたかった時間管理の本だった。成功した起業家、オリンピックメダリストのアスリート、成績上位の学生などから聞いたことを踏まえて、まとめられた時間管理の本。幅広い成功者から聞いた役立つ内容をまとめているけど、会議を短くする方法・メールの処理法など忙しい起業家や管理職向けのアドバイスも含まれていたので、そうでない人には15の秘訣のうち一部しか参考にならないと思う。しかし、
ただ気になる点もあって、ビジネスでの成功者の場合、権限を委譲しているおかげで成功していることに加え、自分の時間も確保できている可能性もあって、短絡的な結論になっているところもある気がした。本当に必要なのは権限を委譲できる状態にできていれば達成できることを、結論に飛びついているような感じ。それに、すでに忙しいことが決まっている起業家向けのアドバイスが多い。
- To do listは簡単に処理できるものしかやらなくなるので、スケジュールに直接予定を入れる。
- メールを確認する一日あたりの回数を決めておく。メールを確認するときには、即返信、返信不要ならアーカイブ、その場で対応できないならスケジュールに入れる。
- 一度しか触らないルール:一度触ったものはその場で片づける。例えば、郵便物をポストから取り出したらそれを机の上に放置したりせず、即座に開封して中身の確認をする。
- やめることリストを作る。
- Done is better than perfect.
- 知らない電話には出ない。
- 自分でできるからといってなんでもやらない。委託できるものは委託する。特に起業したばかりだと、雑務に取り組み過ぎて、実務が疎かになる弊害が生じるらしい。
- マルチタスクをやめる。
ただ気になる点もあって、ビジネスでの成功者の場合、権限を委譲しているおかげで成功していることに加え、自分の時間も確保できている可能性もあって、短絡的な結論になっているところもある気がした。本当に必要なのは権限を委譲できる状態にできていれば達成できることを、結論に飛びついているような感じ。それに、すでに忙しいことが決まっている起業家向けのアドバイスが多い。
夕木、『方舟』、講談社
5/25読み始め、5/27読了。高評価で絶賛されていたので読んだ本。あらすじ
にあるように、密室殺人事件と脱出ゲームが同時に起きた設定。脱出するためには、誰か1人を犠牲にすれば、他の全員が助かるし、早く脱出すれば救助を呼ぶことで残りの一人も助かるという状況。にもかかわらず、殺人事件が起きたため、犠牲役を犯人に押し付けるために犯人捜しをするという展開だった。読み進めれば読み進めるほど、さっさと誰かひとりを残して、脱出したほうがいいに決まってるのに、どうしてそうしないのかと疑問に思ってしまって、無理のある展開で高評価であることを疑ってた。犯人が判明したときの盛り上がりもほぼなく正直失望するレベルだった。しかし最後のエピローグで、これまで無理と思ってた展開が実は論理立てられてることが判明し、一瞬にして傑作になった。高評価である理由がよく分かる作品だった。友人と従兄と山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った家族と地下建築「方舟」で夜を過ごすことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれ、水が流入しはじめた。いずれ「方舟」は水没する。そんな矢先に殺人が起こった。だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。タイムリミットまでおよそ1週間。生贄には、その犯人がなるべきだ。――犯人以外の全員が、そう思った。
白川、『ファラオの密室』、宝島社
5/29読み始め、5/30読了。PKSHA Technologyの創業者が書いた小説で、第22回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作。かなり期待して読んだんだけど、ミステリー要素が少なくて拍子抜けしてしまった。主人公の秘密のことならかなり初期に予想できてしまったので、どこを凄いと思えばいいのか考えてしまった。
青崎、『体育館の殺人』、東京創元社
5/31読み始め、6/4読了。
と宣伝されてるし、高評価だったので、読んでみた。推理自体は全然無理はないんだけど、アニメや漫画、ラノベみたいな展開に推理を組み合わせたような小説で自分には合わなかった。デビュー作だから他にも気になる点も多々あって、このシリーズ自体読みたいとは思えなかった。漫画化もされてるんだけど。雨の放課後、体育館での殺人事件に挑む、高校生探偵・裏染天馬の活躍。“平成のエラリー・クイーン"こと青崎有吾記念すべきデビュー長編。大幅改稿で贈る、第22回鮎川哲也賞受賞作。
貴志、『さかさ星』、KADOKAWA
6/4読み始め、6/12読了。オカルトホラーだった。登場人物が他の作品でも出てるので、どっちが味方か分かってしまった。オカルトだから何でもありなんだけど、あまりにもこじつけのような話が多くて、モヤモヤした気持ちになった。
矢沢、『プログラムはなぜ動くのか 第3版 知っておきたいプログラミングの基礎知識』、日経BP
5/23読み始め、6/13読了。プログラミングの基礎知識足りないと思っているので、教養だと思って読んでみた。第3版で付け足されたであろう機械学習と付録のC言語とPythonの説明は読み飛ばした。
第3版は2021年だけど、初版は2001年でWindowsが登場したころの話だったり、メジャーなプログラミング言語がC言語だったりと古く感じる記述が多かった。20代の人だとプログラミング以前の知識、例えば一太郎とかMS-DOSなど、がないために全く理解できない箇所もあると思った。
しかし、2進法での小数の表し方、CPU、メモリ、OSなどなんとなく知ってるキーワードの説明が丁寧になされててためになった。
正直、機械学習の章は蛇足だと思った。
第3版は2021年だけど、初版は2001年でWindowsが登場したころの話だったり、メジャーなプログラミング言語がC言語だったりと古く感じる記述が多かった。20代の人だとプログラミング以前の知識、例えば一太郎とかMS-DOSなど、がないために全く理解できない箇所もあると思った。
しかし、2進法での小数の表し方、CPU、メモリ、OSなどなんとなく知ってるキーワードの説明が丁寧になされててためになった。
正直、機械学習の章は蛇足だと思った。
浅倉、『六人の嘘つきな大学生』、KADOKAWA
6/14読み始め、6/17読了。高評価かつミステリー関連の賞を受賞したので、以前から気になっていた本。ミステリー要素はあるけど、ミステリーよりも新卒就活の異常さと人間の多面性が描かれていて面白いと思った。
mixiはダサい、Facebookは個人情報公開で怖いってことで2009年に爆誕したSNS会社スピラリンクス(Twitterっぽい)が新卒採用を始めて、その最終面接に残った6人の話。残ったのが、慶應、明治、お茶の水、早稲田、立教、一橋で、東大や京大は一人も残っていないというのは違和感があった。ITベンチャーで営業職であっても関東圏の大学しか残らないって設定は実際にそうだからだそうなぁ。
mixiはダサい、Facebookは個人情報公開で怖いってことで2009年に爆誕したSNS会社スピラリンクス(Twitterっぽい)が新卒採用を始めて、その最終面接に残った6人の話。残ったのが、慶應、明治、お茶の水、早稲田、立教、一橋で、東大や京大は一人も残っていないというのは違和感があった。ITベンチャーで営業職であっても関東圏の大学しか残らないって設定は実際にそうだからだそうなぁ。
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