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前回の記事から3年経ったので、データを更新していきます。 


調査対象

今回は2007年に学位を取得した世代以降について調べることにします。年齢で言うと45・46歳以下くらいです。またhep-th、hep-ph、hep-latの3分野を合わせて調べますが、境界領域に属してる人も少し含まれてしまっています。あと、年齢が自分より上の世代やhep-ph、hep-latの人については抜けがあると思います。

補足として

  • 調べる対象は、素粒子理論業界でポスドクをしたことがある人に限ります。例えば、学位取得後、すぐに分野転向をした人は除いています。
  • 日本で学位を取得した人に限っています。
  • 就活失敗し、1年間だけポスドクをしたという人も除いています。
  • ポスドクをし、その後高専でポジションを取った人は含まれていますが、ポスドクとなることなく高専のポジションを取った人は除外しています。高専の人に関する情報は不正確です。
  • 素粒子理論を辞めた人については、分野転向と民間就職で分けます。分野転向は大学・研究機関での研究職とし、民間の研究職は含まないことにします。また、分野転向に関しては他分野で論文を書いたり、科研費を取った場合に分野転向したとみなしています。
  • 准教授でさえも任期ありのポジションが増えているため、任期なし・任期ありかが本人に聞かない限り分からない状況です。任期ありのポジションでも審査により任期なしに昇格できることもあります。そのため、任期なし・任期ありと区別していますが、間違ってる可能性は高いです。
  • 「経歴により特任助教として扱う」というポジションはポスドクとして扱います。基盤Bなどの科研費で雇われていることが多く、大学運営に関わることはないポジションなので、ポスドクとしてみなすのが妥当だと思います。
  • 前回の調査で漏れなどがあったりしたので、人数が少し変わっています。


表にしてみた

2007年から2024年に学位を取得した人の母集団は

  • 2007年から2011年: 77人 (29人)
  • 2012年から2016年: 97人 (41人)
  • 2017年から2021年: 70人 (22人)
  • 2022年から2024年: 37人 (12人)
  • 累計: 281人 (104人)

です。括弧内に東大・京大出身者の人数を記載しました。 

 

まず、2007年から2011年のグループは

のような内訳です。前回調査時と比較するとポスドクの割合が減り、国内任期なしポストや海外でポストを取った人などが増えたようです。


次に、2012年から2016年のグループを見てみましょう。内訳は

となります。前回調査時と比較すると、アカデミアポストを得た人が6割近くになり、ポスドクの割合も減っています。


前回ポスドク5年以下の世代だった2017年から2021年については

となります。前回調査時同様にポスドクが多い状況は同じですが、アカデミアポストをゲッツした人や民間就職した人が増えています。


最後に2022年から2024年までをまとめると、


となります。ポスドクが多い状況に変わりないですが、1年目から任期付き助教のポストを取る人もおり、前回調査時に比べると、若手に対する研究環境が改善されつつあるようにみえます。

 

最後に3つのデータをまとめた円グラフを掲載します。


 

各年度ごとの人数と割合もまとめてみましょう。


 

2016年までのデータを見ると、各学年6割くらいの人しかポストをゲットできておらず、それが上限になっているようにも見えますが...???

 

まとめ

日本で助教以上のポストを取るのは、依然として厳しいことがよく分かります。しかし、前回の調査と比較すると、ポスドク1期目や2期目の段階で任期付き助教などのポストを得る人が増えるなど、以前よりポストが得やすい状況になっているように見えます。 

なんかあれば、追記していきます。

 

最後に

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