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はじめに

実際、どれくらいの公募の数が出てるのか?

任期の有無や女性限定かどうか、郵送で送らないといけないのかどうか、気になるところだと思います!

ということで調査しました!


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調査対象

素粒子論グループのメーリングリストSg-lに、2014年1月から2022年6月現在に投稿された公募を対象とします。その中で、

  • 件名に「公募」が含まれている。
  • 研究内容に、素粒子論を含んでいる。
  • ただし、素粒子論を含んでいても理論物理学全体の場合は除外。
    この分類は主観が入っています。京大の専門用語で言うと、物二理論分野の教員公募であれば含めるが、物二+物一の理論分野にわたる場合は除外くらいな感じです。
  • 科研費による特任助教の公募も含んでいます。実質ポスドクと大差ないポジションの可能性が高いので、それを以下で考慮します。

を満たす公募のみを調べます。そのため、注意事項として、

  • Sg-lに流れてた公募すべてを調査したわけではない。
    さらに、職位や任期の有無などが書かれていない公募の場合、データ抜けがある。
  • 京都大学の白眉研究員制度、名古屋大学のYLCプログラム、東北大学の学際科学の若手支援、理研の上級研究員など、分野を問わない公募は除外されている。
    しかし、このような公募に採用されている素粒子論の人は多数いる。
  • 公募に素粒子論を含まない場合でも、素粒子論の研究をしている人が採用されている公募はSg-lやJREC-INなどにある。素粒子論の人が採用されうる公募はこのまとめより多い。
  • 素粒子論を含んでいても、素粒子論の人が必ずしも採用されるわけではない。今回の調査では、結果的に素粒子論の人が採用されなかった公募も含んでいる。
  • 複数の職位での公募の場合、最も職位が高いものを採用しています。例えば、教授または准教授、教授の場合は任期なし、准教授の場合はテニュアトラックのような公募があった場合、教授・任期なしの公募とみなしています。 
  • 助手は助教扱いしています。

があります。


データ

まずは、2014年1月から2022年6月現在に投稿された公募の表です。再公募になった公募は除外しています。任期・郵送限定かどうか・女性限定かどうかに関しては、データ抜けがあります。

データA

 

このうち、科研費などの競争的獲得資金を除いたデータの表はこうなります。


データB


表の方が分かりやすいので、表にしていきましょう。

まずは、公募件数です。上がデータAで下がデータBです。科研費公募を抜くと、助教の公募数が減るのが分かります。

 

次に、全公募数と任期の有無についてまとめていきます。上図がデータAで下図がデータBです。データ抜けがあるため、高さが一致していません。

科研費による公募を除外すると、任期3年以下の公募が減ります。。。また、任期3年以下の公募は大体助教公募であるため、そのような公募を差っ引くと、若手向けである助教公募は少ないというのが分かります。

 

最後に、郵送限定・女性限定に関してのデータを見ていきたいと思います。上図がデータAで下図がデータBです。

この表から、素粒子論と分野を指定した女性限定公募は少ないということが分かります。

郵送限定に関しては、2020年までは一定数あった(ただし、科研費公募などでは一切なかった)が、2021年以降激減しています。さすが大臣です!

 

まとめ

8.5年で、それぞれの職位で、計

  • 教授:17
  • 准教授:22
  • 講師:3
  • 助教:29

だけの公募数が出ています。

 

助教は任期ありの場合が多いので、任期なしの准教授になれた場合アカデミアに残れたとみなすと、平均して3人/年くらいの人がアカデミアに残れるようです。

 

実際は、素粒子論と分野指定しない公募も多くあるので、それが同じ程度だと仮定すると、日本でアカデミア業界に残れる(=任期なしの准教授以上のポジションに就ける)人は、

1年あたり6人

ということになります。


これは素粒子論分野でポスドクになる人数の平均が10人程度なので、大体50%くらいの人がアカデミアに残れるということを意味しています。ただし、業績のある人ですら任期付き助教・准教授なので、この推定はあまりにもナイーブですが。。。 

 

最後に

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このブログで作成した表は、Pythonユーザのための Jupyter[実践]入門 を見ながら作成しました。いい本です。