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5月・6月にarXivに投稿された論文で気になったものをまとめた。

5月・6月にarXivに投稿された論文で気になったものをまとめていきます。

2205.05086 

Non-invertible Global Symmetries in the Standard Model
by Yichul Choi, Ho Tat Lam, Shu-Heng Shao

概略:
凄いと話題になってた論文。最近、higher form対称性から派生して、non-invertible対称性というのが流行ってるらしく、この論文では、標準模型におけるnon-invertible対称性を構成したらしい。

2205.05370 

Method of images in defect conformal field theories
by Tatsuma Nishioka, Yoshitaka Okuyama, Soichiro Shimamori

概略:
BCFTとDCFTにおける相関関数に対して、鏡像法をどのように使えばいいか明らかにした論文。

2205.09765 

A dispersion relation for defect CFT
by Julien Barrat, Aleix Gimenez-Grau, Pedro Liendo

概略:
BCFTとDCFTの二点関数をそのdouble discontinuityで表示する分散関係に関する論文。同日に内容の被っている論文が出てた。projective CFTの場合も考えているところは下の論文と重複していなかった。

2205.09775 

Conformal dispersion relations for defects and boundaries
by Lorenzo Bianchi, Davide Bonomi

概略:
BCFTとDCFTの二点関数をそのdouble discontinuityで表示する分散関係に関する論文。同日に内容の被っている論文が出てた。Free DCFTの論文で我々の論文が引用されていなかったので、引用催促してくる。

2205.13185 

On odd number of fermion zero modes on solitons in quantum field theory and string/M theory
by Yotaro Sato, Yuji Tachikawa, Taizan Watari

概略:
奇数個のmassless Weyl fermionの系は存在しないことを示した論文。work in progressと関係があったので、眺めた。

2206.01752 

Double brane holographic model dual to 2d ICFTs
by Saba Asif Baig, Andreas Karch

概略:
Interface CFTで、stress tensorの転送係数とboundary entropyがあり、boundary entropyを固定したまま、転送係数の方を0から1まで調節できることが知られている。これをホログラフィックにやろうと思うと、先行研究では、転送係数とboundary entropyに関係があったので、できなかった。この研究では、boundary CFTを三つ持ってきて、それらを張り合わせ、真ん中のBCFTを小さくする極限を考えて、boundary entropyを固定したまま、転送係数を調節できることを明らかにしている。

2206.03035 

Semiclassical Gravity from Averaged Boundaries in two-dimensional BCFTs
by Yuya Kusuki

著者による解説:
「平均の重要性がワームホールの文脈等で指摘されていますが、本論文では平均がブレーンを物理的にする意味でも重要な役割を持つことを示しました。一般にはブレーンが交差するような非物理的な解が有りうる訳ですが、このような解は存在しないことを、共形ブートストラップ方程式を解くことによって示すことができます(input dataはOPEのensemble)。
本論文では境界の平均という物を考えていますが、これはisland modelの文脈でも興味深いと期待されます。 island modelをBCFTと関連付けようとすると、境界が平均化されていると期待されますが(averaged SYKの観点から)、本論文でそのような境界の平均を具体的に導入したことに相当しています。」

2206.04630 

Reflected Entropy in Boundary/Interface Conformal Field Theory
by Yuya Kusuki

著者による解説:
「最近何かとreflected entropyという情報量が流行っていますが、その理由はtripartite entanglementの有無を議論できるという話があるためです。そのため、色々な系でreflected entropyを計算したくなってくるわけですが、実はその計算は結構テクニカルです。本論文では特に最近の情報パラドックスの文脈で注目を浴びているICFT/BCFTにおいてreflected entropyをどうやって計算するかを示しました。その過程でLRREという新しい量が自然に定義できるので、この量の重力双対等についても議論しました。この論文では主に計算手法と簡単な系での計算のみを紹介していますが、物理的に面白い問題にこの量を適用するという方向性で多くの発展が期待できます(ICFTでのMarkov gapのuniversalな性質等)。」

2206.04695

Jackiw-Teitelboim Gravity from the Karch-Randall Braneworld
by Hao Geng, Andreas Karch, Carlos Perez-Pardavila, Suvrat Raju, Lisa Randall, Marcos Riojas, Sanjit Shashi

概略:
Karch-Randall模型からJT重力を導出したと主張する論文。やっていることとしては、二つのend-of-the-world braneがあって、wedge holographyのようなセットアップを考えると、ブレーンの揺らぎがJT gravityのdilatonとみなせるので、JT gravityが導出できたという主張みたい。フルペーパーみないと本当に正しいのかよく分からない。

2206.06144

Island mirages
by Andrew Rolph

概略:
2101.11648でIslandが存在する条件が得られていたけど、その議論の抜け穴を指摘し、改善案を提案した論文。

2206.06326

Interacting conformal scalar in a wedge
by Agnese Bissi, Parijat Dey, Jacopo Sisti, Alexander Söderberg

概略:
BCFTのboundaryを「く」の字に折り曲げたような理論である、wedge CFTを議論している。なんかいろいろできそう。

2206.08395

A CFT interpretation of cosmological correlation functions in α−vacua in de-Sitter space
by Sachin Jain, Nilay Kundu, Suman Kundu, Abhishek Mehta, Sunil Kumar Sake

概略:
dS時空のcosmological correlatorはだいたいBunch-Davis vacuumで計算されてるんだけど、この論文はalpha-vacuumというBunch-Davis vacuumを含むより広いクラスの場合のcosmological correlatorについて調べている。

2206.09609

JT Gravity from Partial Reduction and Defect Extremal Surface
by Feiyu Deng, Yu-Sen An, Yang Zhou

概略:
アブストと結論を流し読みしただけ。AdS_3/BCFT_2模型のend-of-the braneの揺らぎをdilatonと同一視すると、JT gravityが出てくると主張してるみたいなんだけど、これあってるの?
似たようなことはisland公式の初期の頃にいろいろ議論されてたような気がしたんだけど。

2206.11292

Double holography in string theory
by Andreas Karch, Haoyu Sun, Christoph F. Uhlemann

概略:
トップダウンでdouble holographyを構築した論文。ボトムアップの模型でいろいろ議論されてる微妙なところをきちんと議論できるのでいいらしい。