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4月にarXivに投稿された論文で気になったものをまとめた。

徐々に更新していきます。

2104.00006 

The Price of Curiosity: Information Recovery in de Sitter Space
by Lars Aalsma, Watse Sybesma

概略:
2次元dS時空上のisland論文。他の関連論文と同じ結果を出してる以外に新しい結果もあるみたいだけど、どのあたりが新しいのかあんまりよく分からなかった。
 

2104.00010 

Holographic Path-Integral Optimization
by Jan Boruch, Pawel Caputa, Dongsheng Ge, Tadashi Takayanagi

概略:
2011.08188のfull paper version。letter versionに比べて、時間依存する場合やde Sitterの場合も加わっている。従来のpath integral optimizationの方法はLiouville actionを極小にするが、量子補正を加えるのが難しい。そこで、AdS時空中のtime-slice上のHartle-Hawking wave functionを極小にするようにすると、Liouville actionの結果と同じになり、さらに補正も加えやすくなったということを提案した論文。
 

2104.00183 

Evaporation of black holes in flat space entangled with an auxiliary universe
by Akihiro Miyata, Tomonori Ugajin

概略:
2008.05274, 2008.05275の方法をasymptotic flat時空の場合に適用したもの。重力のない系Aと重力のある系Bを考えて、古典的には相互作用のない状況でも状態をthermal stateのようなものにすることで量子論的に相互作用するようにして、Island公式を議論している。
 

2104.00224 

Islands and Page curves for a family of exactly solvable evaporating black holes
by Xuanhua Wang, Ran Li, Jin Wang

概略:
RST-BPPブラックホールのIsland論文。
 

2104.01220 

Monodromy Defects in Free Field Theories
by Lorenzo Bianchi, Adam Chalabi, Vladimír Procházka, Brandon Robinson, Jacopo Sisti

概略:
引用されてたので、うれしい。
monodromy defect と呼ばれるタイプの defect を考え、特に2次元 defect の場合に、3つある anomaly 係数を計算しましたという論文。
 

2104.02801 

The Dictionary for Double-Holography and Graviton Masses in d Dimensions
by Dominik Neuenfeld

概略:
Karch-Randoll型のIsland論文。braneが2次元の場合、gravitonの質量がゼロだが、高次元にするとmassiveになることが指摘されていた。たぶん、この論文の新しいことはその質量の表記を具体的に求めたことらしい。
 

2104.06994 

Entanglement of two disjoint intervals in CFT and the 2D Coulomb gas in a lattice
by Tamara Grava, Andrew P. Kels, Erik Tonni

概略:
2次元CFTで領域A、Bが離れたときの密度行列とtransposeされた密度行列がlattice上の2D Coulomb gasのグランドカノニカル分配関数で書けることを示した論文。
 

2104.0 

title
by author

概略:
abst
 

2104.07039 

Holographic BCFTs and Communicating Black Holes
by Hao Geng, Severin Lüst, Rashmish K. Mishra, David Wakeham

概略:
Island関連論文。interval上で定義されたBCFTのdualとして、二つのKarch-Randoll braneがある模型を取ってきて、CFT側と重力側のエンタングルメント・エントロピーを計算し、その一致を見た論文。CFTがholographicな描像を持つときの条件はよく理解されているが、BCFTの場合、あまりよく理解されていないということを知った。単純なlarge cだけではないらしい。
 

2104.08263 

The String Dual to Free N=4 Super Yang-Mills
by Matthias R. Gaberdiel, Rajesh Gopakumar

概略:
N=4 SYM の相互作用がない場合のholographic dualをproposeした(?)PRL投稿の論文みたいだけど、さっぱり分からんかった。work in progressが2つほどあるみたいなので、そっちの方を読めばまだ概要が分かるのかも。
 

2104.09514 

Krylov complexity in conformal field theory
by Anatoly Dymarsky, Michael Smolkin

概略:
Krylov complexityと呼ばれる量とchaos boundの関係について調べている。circuit complexityやholographic complexityとの類似性についてちょっとしたコメントがある程度だった。
 

2104.09682 

Is the Standard Model in the Swampland?
by Katsuki Aoki, Tran Quang Loc, Toshifumi Noumi, Junsei Tokuda

概略:
swamplandかどうかを見る基準の一つであるgravitational positivity boundを用いて標準模型がswamplandになってるかどうか調べてみた論文。QCDに関連する微妙な点はあるみたいだが、それを置いておくことにすると、プランクスケールより少し下のスケールで理論のカットオフが必要になるらしい。つまり、このカットオフより下のエネルギースケールで新物理が現れるか、standard modelがswamplandに入っていることになる。ふむ。
 

2104.11743 

Simple Bulk Reconstruction in AdS/CFT Correspondence
by Seiji Terashima

概略:
AdS/CFTでのbulk reconstruction(bulkのoperatorをCFTのoperatorからどうやって作るか)に関する論文。Hamilton-Kabat-Lifschytz-Loweたちによるbulk reconstructionがより簡単に書けるということを指摘しているみたい。
 

2104.11749 

Risking your NEC
by Carlos Hoyos, Niko Jokela, Jose Manuel Penín, Alfonso V. Ramallo, Javier Tarrío

概略:
AdS/CFT対応を使うと、場の理論側のC定理は重力側のNull energy condition (NEC)に関係していることが分かっている。この論文では、構築した重力解がNECを破っていることを指摘し、holographicに作ったC関数が単調ではないことを指摘している。一部の解はPoincare対称性を破っているので、単調性がなくても問題ない。しかし、他の解でも単調性がないとなると、何か妥当な物理的仮定を破っているような気がするけど。
 

2104.12764 

Holography, 1-Form Symmetries, and Confinement
by Fabio Apruzzi, Marieke van Beest, Dewi S. W. Gould, Sakura Schafer-Nameki

概略:
PRL投稿用の論文。自分の知識が足りなくて全く理解できなかった。強結合のIR理論を調べるためにアノマリーに着目して、それをholographicな方法で調べた感じ(?)。