2021年5月の気になった論文
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5月にarXivに投稿された論文で気になったものをまとめた。
2105.00008
Islands and Page curves in 4d from Type IIB
by Christoph F. Uhlemann
概略:
Karch-Randall模型を使ったIsland関連論文。これまでのKarch-Randall模型を用いた論文はボトムアップで、この論文はtype IIB超弦理論に埋め込めるタイプの模型でIslandが現れることを示している。特に、brane上のgravitonの質量をmasslessにも調整できるらしい。
2105.01130
Double Holography as a Model for Black Hole Complementarity
by Dominik Neuenfeld
概略:
double holographyに基づくIsland関連論文。brane perspectiveとboundary perspectiveでどの「エントロピー」が等しくなるかを議論している。特に、brane perspectiveで見たときのフォン・ノイマンエントロピーがboundary perspectiveでの「simpleエントロピー」と等しくなることを指摘してる。
2105.01436
Gravitational Positivity Bounds on Scalar Potentials
by Toshifumi Noumi, Junsei Tokuda
概略:
Gravitational positivity boundをスカラー場の理論に対し適用して、そのポテンシャルの構造について調べた論文。
2105.02142
Deconstructing the Wormhole: Factorization, Entanglement and Decoherence
by Herman Verlinde
概略:
wormholeがある場合のfactorizationに関する論文だけど、まったく分からなかった。
2105.02912
Holographic boundary states and dimensionally-reduced braneworld spacetimes
by Stefano Antonini, Brian Swingle
概略:
End-of-the-world braneをAdS時空の中に導入して、それ上でcosmology(dS時空)を実現し、holographicにcosmologyを解析しようとする論文の一つ。この論文では、特に、dimensional reductionすることで、重力理論を2次元まで落とし、その双対となるcharged SYK模型の解析している。アイディア勝負の論文な気がする。
2105.03271
Island may not save the information paradox of Liouville black holes
by Ran Li, Xuanhua Wang, Jin Wang
概略:
Island論文。Liuville重力だとislandが現れないので、よく考えないといけないよということを指摘している。
2105.03276
Digital quantum simulation for screening and confinement in gauge theory with a topological term
by Masazumi Honda, Etsuko Itou, Yuta Kikuchi, Lento Nagano, Takuya Okuda
概略:
2次元のSchwinger模型にtheta項を加えてlattice計算した論文。量子計算でやったところが新しい(?)。
2105.03662
Partition functions of p-forms from Harish-Chandra characters
by Justin R. David, Jyotirmoy Mukherjee
概略:
自分の論文が引用されていたので眺めてみた。Harish-Chandra characterを用いて、p-formの球面上とhyperbolic cylinder上の分配関数を計算し、その等価性を示していた。free scalarの場合に、それぞれの時空上の分配関数を我々の論文で計算し、その等価性を数値計算で示していたので、引用されていた。
2105.08729
Volume complexity for Janus AdS_3 geometries
by Roberto Auzzi, Stefano Baiguera, Sara Bonansea, Giuseppe Nardelli, Kristian Toccacelo
概略:
自分の論文が引用されていたので、ざっと眺めてみた。Janus geometryでsubregion complexityを計算した論文。
2104.08263
Lorentzian threads as 'gatelines' and holographic complexity
by Juan F. Pedraza, Andrea Russo, Andrew Svesko, Zachary Weller-Davies
概略:
holographic entanglement entropyの一つの見方としてbit threadというものがあった。この論文では、それと似た考えでCV公式を再考しているみたい。PRL投稿用と思われるけど、あんまりすごい結果が得られてるように思えない。
2105.08396
Replica wormholes and capacity of entanglement
by Kohki Kawabata, Tatsuma Nishioka, Yoshitaka Okuyama, Kento Watanabe
概略:
Entanglement of capacityをJT重力+heat bathのセットアップで計算した論文。conformal weldingという問題があるため、エンタングルメント・エントロピーと比べて、計算するのが難しく、高温極限でしか計算できなかったみたい。
2105.09106
Page Curve from Defect Extremal Surface and Island in Higher Dimensions
by Jinwei Chu, Feiyu Deng, Yang Zhou
概略:
AdS/BCFT模型の文脈でのIsland関連論文。Island公式の代わりに、何か似た公式を提案し、それの振る舞いを調べたもの。その公式の妥当性とかはあまり吟味されてない感じがしたので、個人的には微妙な感じがした。
2105.11567
Holographic Duals of Argyres-Douglas Theories
by Ibrahima Bah, Federico Bonetti, Ruben Minasian, Emily Nardoni
概略:
タイトル通り、Argyres-Douglas理論のホログラフィック双対を提案した論文。これはPRL投稿用で、full paperは後で出すみたい。
2105.12743
Volume complexity for the non-supersymmetric Janus AdS5 geometry
by Stefano Baiguera, Sara Bonansea, Kristian Toccacelo
概略:
タイトルにある通り、non-supersymmetric Janus解でのvolume complexityとspherical regionのsubregion volume complexityを計算した論文。特に、universalな項に着目し、その項がcutoffの取り方に依存しないことを確認している(Janus解なので、AdS boundaryでのカットオフの入れ方にいくつか手法がある。)。
2105.13909
Thermal correlation functions in CFT and factorization
by D. Rodriguez-Gomez, J. G. Russo
概略:
2102.11891でthemal CFTの2点関数を調べていた。この論文では3点関数について調べている。
2105.15059
The entanglement entropy of typical pure states and replica wormholes
by Erez Y. Urbach
概略:
2次元CFTでエンタングルメント・エントロピーのアンサンブル平均を考察した論文。一応アイランド関係の論文。
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